【NBA FINAL Game2】
また再びのOTでの決着。
ファイナルで2試合連続のオーバータイムは、NBAファイナルの歴史上初めてのことらしい。また今日も痺れる試合展開に。
結果からいえば、レブロン率いるキャブスが勝利。
1-1という戦績で今度は第3戦が行われるホーム・クリーブランドへ戦いの場所を移すことになった。
この試合もOTになる前の第4Q最後のプレーは、やはりレブロンだった。
前回はジャンプショットを外したが、今回はレイアップを選択。
が、ウォーリアーズの強固なディフェンスの前にまたも決めきれずOTに突入。しかもOTの最終局面では、それまで完全に封じ込められていたカリーがうまくJRスミスのファールを誘い、一時はウォーリアーズに逆転されてしまう。
まさに第1戦のデジャブー的な試合展開に嫌な空気を感じ取ったが、辛くもキャブスが勝ち逃げたという印象。
試合序盤に、アメリカで話題になっていると面白いエピソードが紹介されていたけど、今日の第2戦の審判の一人に「スコット・フォスター」という人がいて、その審判が笛を吹いた試合は「ホームチームが1勝10敗の成績」というデータがあるそう。
で、まあ、ジャッジの質はどうあれ、とにかくその通りの結果になったわけだ。
ちなみに、NBAのレフリーの背番号のことをご存知でしょうか?
え?背番号なんてあるの?
あるんです。今度からよく見てみてね。
で、その背番号は審判のキャリアや能力(前年のジャッジ評価)で決められていて、数字が少ないほどキャリアがあって評価も高いということになっている。ちなみに渦中のスコットフォスターさんは「48番」。他の2人は「28番」と「25番」でした。
またそういう理由からNBAでは「審判三人の背番号の総数が100を超えると、その試合は荒れる」とまで言われているそうで、今回の総数は101なので、まあデータどおりっちゃ~そうなったのは、ま、ひとつのNBAトリビア的分析。
視点を変えるとNBAって色々と面白い。でしょ?
さて、これでシリーズタイ。ますますこの先の展開に目が離せません。
【追記】今日の放送を見て初めて知ったんですが、レブロンジェームスとステフィンカリーは、クリーブランドの同じ病院で生まれたそうです。
あの大きな国アメリカで、ですよ。
う~ん。色んな意味で宿命の相手なのかもな~
【NBAファイナル GAME③ @クリーブランド】
キャブス本拠地のオハイオ州クリーブランド。
五大湖のひとつレイクエリーに面したこの地で、現在NBAファイナルは行われている。
僕は若い頃、お隣のオンタリオ湖に接するトロントで1年間暮らしていたこともあり、トロントから至近距離(といっても、車で約5時間の距離)にあるこの土地には愛着を感じる。
そしてその地が大好きなNBAプレーヤー、レブロンジェームスとステフィンカリーの誕生した土地だと思うと、なおさら感慨深い。
さて、game③ 結果はキャブスの勝利に終わった。
シリーズ成績をキャブスが2-1として次戦GAME④に望むことに。以下、雑感。
試合は全体を通じて結構「重い感じ」の試合展開だった。
どちらのチームも「シリーズ最大の分岐点となりうる」この試合への強い思いを感じたし、互いにエースの良さを消そうと、懸命に考えられた戦術展開がその感じた重さの正体だろうか?
また、ここにきて満身創痍の体と積み重なった疲労の影響もある。
そして、こういう重要な試合になればなるほど、必ず登場して勝負を決する要因になるのが「ラッキーボーイ」というジョーカーの存在だ。
今日の試合では、第2戦からスタメンに名を連ねている「デラベドバ」が、勝利を手繰り寄せる活躍をみせた。
膝の骨折から戦線離脱したアービングにかわり、突如スタメンに名を連ねたオーストラリア出身の24歳は、その闘志とボールへの強い執着を見せ、また決して優美で派手なプレイではないが、20得点を挙げる活躍を見せた。
生理心理学の基本法則に「ヤーキーズドットソンの法則」というのがある。
簡単にいうと「過度なストレスがあるほうがパフォーマンスがあがる」という法則のこと。
つまり、適度な刺激があると、人間は覚醒するらしい。
そういえば「傷ついた鹿ほど高く跳ぶ」っていうものこれにあたる言葉なのかもね。
たとえば、運動選手が、どこかに治療部位を抱えているような場合に、意外と好成績を出す場合があるけれど、まさにそれがそう。その法則に当てはまるのかどうかは微妙だけど、キャブスというチーム全体に、今、この現象が起こっているように思う。
キャブスはレブロン・ジェームス、ケビン・ラブ、カイリー・アービングというBIG3が揃っているからこそ、2014-2015シーズンの躍進があったのは間違いない。
けれど、現状はレブロン以外は故障で戦線離脱状態。
レブロンも今日の試合の終盤では腿が吊るような疲労困憊のファイナルの戦いで、チームは大きなストレスに晒されている。エース・レブロンも、すでに万全とは言いがたいのだ。
そして、その精神的なストレスの共有が、セカンドユニットの「心の薬」になった。
いわゆるベンチ要因の選手たちには、特にアービングという大きな柱を失った瞬間から、どこか「覚醒」したかのような雰囲気を感じるのは気のせいだろうか。
つまり、レブロン一人ではファイナルを勝てないと心の底から、気持ちの根っこから感じ取ったように思える。
オレが、やらねば!
ベンチメンバーが強くそのことを意識したことが、この第3戦をものにしたキャブスの勝利の正体だと個人的には思った。
なにかトラブルが起こったとき、それがその後の展開にプラスに働くことが、人生にはままある。
ピンチはチャンス
ありきたりの言葉に聞こえるかもしれないけれど、やはり金言なのだと思う
【NBAファイナル GAME④ @クリーブランド】
これがファイナルなんだろう。そう簡単に想定した方には転ばない。
どこか人生に似てる気がするなあ~。
ひとは表面的な状況を今すべき判断の材料にすることがままあるけれど、実はつぶさに、もっともっと深堀りして観察し続けると、よく見えたその見せかけの状況が、まるで正反対の状態にあること、これもまた、ままある話。
それにしても、NBAを代表する、あのスーパースター・レブロンが走る気力が無くなるほどに、しかも、それが素人目に見てもバレてしまうくらいのひどい消耗具合を露呈したゲーム内容に僕はショックを受けた。
なにしろ試合終了のブザーが鳴る3分も前に「実質、試合は終わってしまった」のだから、キャブスの応援にアリーナへ駆けつけたファンは、さぞかしガッガリしただろうと思う。
さて、これで戦績は互いにイーブンの2-2。残すは最大で3試合。
このゲーム④を見ると、やや形勢はウォーリアーズ有利・・・と考えるのが、大方の見方だろうが、ま、ここまでくれば双方とも総力戦。いずれ最後は「気持ちの勝負」になるのは間違いないと思う。
つまり、どちらがチャンピオンリングをより熱望しているのか?
それが勝負の分かれ目になると思う。
中村天風さんの有名な言葉を思い出す。
新しき計画の成就は、ただ不屈不撓の一心にあり。
さらば、ひたむきに、ただ想え、気高く、強く、一筋に
これは、JAL再建に乗り出した稲盛和夫さんが引用し、JAL社員の前で披露した言葉。
つまり、誰もやったことのないような何事かを成すべき時には、ただひたすらに強烈に思えという言葉。逆に言うと、強い、いや、強烈な思いがなくては、望んでいる物事は決して成就しないという教えの言葉だ。
テクニックよりも、気持ち
これは何事にも当てはまるような気がする。
さて、今後のゲームと共に生まれてくる物語にも注目したいと思います。
【NBA FINAL GAME⑤ @G.S.】
カリーとイグドラの活躍が全て。そんな試合だった。
レブロンは孤軍奮闘しファイナル6度目のトリプルダブルの活躍を見せた反面、やはりキャブスはセカンドユニットが機能せず。
試合序盤こそJRスミスが3ポイントを立て続け決め、ゲーム⑤の結果に期待を持たせたが、その好調さを見るや、すぐさまダブルチームディフェンスで迅速に対応してきたウォーリアーズに簡単に封じ込められてしまった。
これで、ウォーリアーズがチャンピオンへ王手。
40年ぶりのNBAファイナル制覇に片手が届いた状況だ。
今日のゲームは第四クォーターまでは非常に重かった。一進一退。そんな言葉がふさわしい。
シリーズを決する最重要の試合であることは両軍ともに感じていただろうし、それゆえの慎重さがプレイにも反映していたように思う。
ま、結果はカリーの爆発で終わったのだけれど、思えば今日の結果を生み出した導火線は、第3戦の第四クォーターにつながっているのだと思う。
その試合をプレイバックしてみると、第3戦は結果キャブスが辛くも逃げ切って、シリーズ2-1にした試合。試合終了のホイッスルが鳴った後、レブロンがボールを手にしてフロアへ突っ伏すような姿勢で、安堵と疲労感を表現していたのが印象的な試合だった。
実はあの試合、最終結果は96-91と普通の接戦のように思える得点差だけれど、第4クォーター開始時点では、キャブスが17点の大量リードをしていた。つまり、ウォーリアーズに最終クォーターで猛追されたわけだ。
しかも、1戦2戦と二試合続けてのOT決着だったこともあり、レブロンの試合終了時の消耗度が痛いほど伝わってくる。
では、なぜ、ウォーリアーズはそこまで猛追できたのか?
答えは「カリーが爆発の糸口を掴んだから」だと個人的には分析している。
あのゲーム③の非常に重要な潮目は、第四クォーターにデビッドリーがコートに入ってからだった。
リーはインサイドでの仕事を果たすと同時にボールをキックアウト。3ポイントで得点を挙げる。
いうなれば、ウォーリアーズお得意のお家芸なのだが、それまでうまく噛み合ってなかった何かが、ようやくあの時点から変わり始めたように見えた。
そして、なにより第四クォーターを迎えるにあたりヘッドコーチのスティーブカーが、カリーに対して要求した言葉が、最も彼とチームの覚醒を促した大きいきっかけだったように思う。
「もっと感情的にプレイして欲しい」
つまり、ヘッドコーチのスティーブカーは
「このウォーリアーズというチームは、カリー、お前がなんとしても勝つ!という姿勢でプレイしないと勝てないんだ」
この強烈なメッセージがカリーに突き刺さったのだと想像する。
そして、この日は惜敗したウォーリアーズだったが、次戦は完勝。そして、今日の第⑤戦の勝利へと繋がっている。
あの第三試合の第四クォーターの猛追と、カリーの「エースとしての開き直り」がなければ、その後のシリーズ展開が変わっていたかもしれない。それくらい大事なターニングポイントだったように思う。
もはや、ウォーリアーズのこの勢いを手負いのレブロン一人で打ち負かすのは、簡単ではないような気がする。が、まだ勝負はついていない。
最後まで諦めない気持ちが、奇跡を起こすためには必要だ。
さて、次戦。どういう結果になるのか、楽しみに待ちたいと思う。